先輩サポーターのstory

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自身も最重度の身体障がい当事者として「ぽらん・ぽらん」代表を務め、
同時に「パーティ・パーティ」利用者である、藤井規之さん。
藤井さんは、自分の生活を支えてくれるサポーターとの
「お互い様の関係」を大切にしています。

■目線での会話が、僕のコミュニケーション方法

僕は、身体を動かせません。
自分の意志で身体を動かせるところは、左足だけです。
普段は、左足をフルに使ってパソコンを操作し、仕事をしています。

人との会話は、目線の合図です。
何か表現したいときは、相手の目を見つめてうなずくと、
相手が気付いて、「なにかある?」と尋ねてくれます。
そして、相手に「あ・か・さ・た・な…」と言ってもらい、
希望する行で相手の目を見ます。
次に、「あ・い・う・え・お」と言ってもらい、
また目を合わせることで、やっと1つの文字を選びます。
その繰り返しで、コミュニケ-ションをとっています。

初めて来たサポーターには、必ずこの方法を覚えてもらいます。
サポーターとのコミュニケーションのために、会話は欠かせないですから。

僕との会話は、慣れてくると段々と分かるようになりますよ。
何回か会って話をした人には、表情や雰囲気での大体の事は分かってもらえます。
それでも、細かい指示や内容になると、
一字一句きっちりと分かるまで聞きとってもらうので、
とても時間がかかります。

僕はコミュニケーションが特殊で時間がかかるので、
これまで、聞き流されてしまったり、受け止めてもらえなかったり、
と「伝えきれなかった言葉や思い」が沢山ありました。
なので、「ああ、この人、僕の話なんて聞いていないんだな」
というのも、すぐに分かります。
これは僕だけではなく、他の多くの障がい者もみんな感じていると思います。

■生活と介助は切っても切れない関係

僕は、施設や親に管理されないで自分の生活をしたく、
大学生の頃から10年以上ひとり暮らしをしています。
従って、サポーターの存在は絶対必要で、
僕の生活と介助は切っても切れない関係ですね。

自分で出来ないことはサポーターに助けてもらいますが、
逆にサポーターの悩みを聞き、助言することもあります。
障がい者とサポーターは、ただ介助する・されるだけの間柄ではなく、
時には一緒に悩んだり、ケンカしたり、喜んだりと、
お互いが成長しあえるような「お互い様」の関係が理想ですね。

障がい者とサポーターがお互いに向きあうこと。
具体的には、ひとつひとつの介助を、障がい者に確認しながら動いてほしいです。
その上で失敗したら、それはいいんですよ。

お互いが、相手の言葉や思いを正面で受け止めあう関係こそが
「パーティ・パーティ」の基本なのではないでしょうか。

藤井さんのある1日のスケジュール朝昼
8:00 … 起床。サポーターが自宅に到着。
朝食、出勤までの準備。
10:30 … ぽらん・ぽらん事務所に出勤。
自身の体験談を講演用資料としてパソコンで作成。
サポーター希望者の面接。
16:00 … 勤務終了。サポーターが事務所に到着。
帰宅途中、買い物を済ませる。
18:00 … 帰宅し、サポーターに洗濯・調理などの家事介助を依頼。
食事、トイレ、入浴、着替えを済ませる合間に、
音楽を聴きながらパソコンでメールチェックやブログ更新。
23:30 … サポーター帰宅。就寝。

※宿泊介助をお願いする日もあります。

藤井さんは、障がい当事者であり、
スタッフでもある貴重な存在です。
また、最重度の障がいを持ちながら、ひとりで暮らしている
自立生活の第一人者です。
自立生活を通して、これまで百人以上のサポーターとかかわり、
サポーターにとって「介助の在り方」を伝えてくれる先輩であり、
育ての兄(笑)でもあります。
サポーターと一緒に考えながら、時には失敗や遊びもありますが
等身大でサポーターと向き合ってくれています。