<長文>「まちなか被災シミュレーション」inほっこり倶楽部

【滞留者の多様性:まちなか被災シミュレーション〜障害者デイの避難想定】
僕らがやってきたのは、自分の住んでいる地域ではなく都市に出かけていて災害に遭遇したらと災害があると日頃の生きづらさが顕在化してくることへの考察です。
2011年、東日本大震災を受けて、まちなか被災シミュレーションは大阪の障害当事者や支援者、災害支援・ボランティア・地域にかかわる有志がユニットを立ち上げ、始まりました。
10年近くやってきて今回、自分たちの活動で浮かんできた言葉が「滞留者の多様性」
まずうちの法人・事業所である「パーティ・パーティ」を紹介すると、難波と通天閣の間にある大国町という大阪のど真ん中にあります。
うちの利用者はこの近隣地域ではなく、大阪市全域に点在。
職員は大阪市外の近郊に住んでいる者も少なくありません。
要はうちは地域住民を対象にした福祉法人ではなく、障害者の生活というテーマ型なのです。
さてうちには「ほっこり俱楽部」という生活介護(障害者デイ)がある。
利用者は10名。半分は半径2㎞圏内だが残りの人は車で30分圏内在住である。
職員は主婦・フリーターが主で電車で30分から1時間の範囲から通勤している。
こんな「ほっこり俱楽部」で大地震が発生した場合に起こりうることとは・・で、今回の「まちなか被災シミュレーション」を開催しました。
建物が老朽化のため、災害発生時に法人内に留まるということは出来ない。
まずは建物を出て、10数名の地域住民ではない集団が自分たちの身を置けるスペースを求めて動く。
近隣の小学校・・徒歩、3分のところにある。
近隣の公園・・徒歩1分。
しかし、津波を想定した場合は海抜2mの地域であることを想定し、周辺の団地屋上の駐車場や市場の屋上駐車場を目指す。
通常、車が屋上へ上がるところを車いすでも行けるかどうかを今回検証。

急な角度とはいえ、なんとか押し上げることは出来た。
電動車いす(100kg+本人)も男性なら手動でも押しあげられる。
立体駐車場はたいへん広く、一旦避難するにはいいのかもしれない。(うちも月極で借りているので部外者ではない)
ただ寒いため、雨風を防げるわけではない。

そこから広域避難所である地域の小学校を目指したいのだが、自分たちが行っても居場所があるだろうか。
またこの地域は長年この地域で暮らしている住民よりも賃貸で住んでいる人や団地で福祉を受けながら暮らしている高齢者。
うちのような仕事として昼間に勤めで来ている人。
横に大きなコンサートホールがあるのでそこの観客。
正に<滞留者の多様性>なのである。
この区の地域活動コーディネーターが参加されていて、ある有力なヒントを出していただく。
隣の小学校が一昨年廃校になった。
小学校自体は避難所ではなくなった。
で・・その近くに新しく出来た広く大きなホテルが指定避難所になっている。

新しいホテルだからバリアフリーだし、寝ることやプライバシー~部屋や毛布・寝具の確保、備蓄もあるのではと推測。
このこと、地域の人らは周知されているのだろうか・・と思いながらも、みんなで徒歩10分かけて到着。
ホントはこの避難後、利用者家族や職員家族と連絡を取るか。
地震が収まった後、どういう風に僕らは帰宅の段取りを組むのか。
僕ら以外の災害発生時にたまたまこの地域に滞留している人たちはどうなのか。
地域で単身高齢者など避難やその後に支障や事情ある人はどうなんだろう。
などなど、気になる点は数限りなくありましたが、そんな視点や気づきを持てる「まちなか被災シミュレーション」
次回は・・新型コロナウイルス感染拡大で話しが止まっている此花区でやりたいし、呼んでいただけたら地域ベースでも福祉事業所ベースでも企業や学校の研修でも・・いろんな「まちなか被災シミュレーション」をぜひ一緒にやりましょう♪

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